治療の基本

HSの治療について

治療には、炎症を抑える薬、病変に対する処置・手術、傷のケアなどがあります。それぞれの目的と、診察で確認したいことを説明します。

窓辺の机に開いたノートとペン
AIで作成した説明用のイメージです。

01 / 治療の全体像

皮膚の状態と、生活のしやすさを一緒に確認します。

痛みや再発の負担を減らし、傷を落ち着かせ、日常生活を送りやすくすることが治療の目標です。症状の場所・範囲、これまでの治療、生活上の困りごとから、医師と方針を考えます。[1]

治療の組み合わせを考える図

症状・皮膚の変化・生活の困りごとを確認

薬による治療

炎症を抑える

塗り薬・飲み薬・注射薬など

処置・手術

病変に対応する

膿を出す・トンネルの処置など

傷のケア・痛みへの対応・生活上の工夫

経過・副作用・続けやすさを確認して、治療を見直す

必要な治療を組み合わせる図です。全員がすべてを受けるわけではなく、必ず同じ順番で進むものでもありません。[4]

02 / 薬による治療

薬ごとに、目的と使い方を確認します。

01

塗り薬

皮膚の表面にある病変に、抗菌薬の塗り薬を使うことがあります。深いしこりや膿がたまった部分は、塗り薬だけでは十分に改善しない場合があります。[2]

診察で確認すること
どの場所に、どのくらいの量を、いつまで塗りますか?
02

飲み薬

抗菌薬の飲み薬を、細菌への作用に加えて炎症を抑える目的で使うことがあります。症状や副作用を確認しながら、種類と使用期間を決めます。[2]

診察で確認すること
何を改善するための薬ですか? いつ経過を確認しますか?
03

注射薬(生物学的製剤)

炎症に関係する物質の働きを抑える薬です。これまでの治療や体の状態を確認して検討します。感染症などの確認が必要で、自宅で注射する場合も医療者の説明と練習を受けます。[3]

診察で確認すること
必要な検査は何ですか? 体調の変化や使い忘れは、どこに相談しますか?

副作用が心配なときや、使いにくいときも相談を。

薬の名称と、いつ・どんな変化があったかを伝えてください。残っている薬を自己判断で使ったり、人と共有したりしないでください。[6]

03 / 処置・手術

膿を出す処置と、病変を取り除く治療があります。

膿がたまって強く腫れた場所への処置や、繰り返す病変・皮膚の下のトンネルを開放・切除する手術などがあります。方法や範囲は状態に合わせて決め、薬による治療と組み合わせる場合もあります。[4]

処置の前に確認すること

  • 何を改善するための処置か
  • 麻酔、通院・入院の必要性
  • 傷が落ち着くまでの見通し
  • 仕事・学校・運動への影響

帰宅後のために確認すること

  • 傷の洗い方と保護の方法
  • 被覆材を交換するタイミング
  • 痛みがあるときの対応
  • どのような変化で連絡するか

診察での質問例です。処置後のケアは、治療を受けた医療機関の説明に従ってください。

04 / 傷のケアと日常生活

洗い方・保護・服の当たり方を確認しましょう。

窓辺に掛けた白と水色のシャツ
AIで作成した説明用のイメージです。

こすらず、つぶさず、相談する

しこりを自分でつぶしたり、患部を強くこすって洗ったりしないようにします。衣類の締め付けや摩擦が気になるときは、刺激を避ける工夫を相談しましょう。[5]

排液に合わせて保護する

傷の場所、出てくる液の量、周りの皮膚の状態に合わせ、被覆材と交換方法を医師・看護師に確認します。交換のしやすさや費用も伝えてください。[1]

痛みで眠れない、歩きづらい、座れないといったことも、我慢して省かずに伝えましょう。

生活で困ったことの伝え方を見る

05 / 診察での質問

このように聞くと、治療の説明を確認できます。

すべてを聞く必要はありません。今いちばん気になることから、一つ選んでメモしてください。

  1. 今回の治療では、まず何を改善することを目指しますか?
  2. 効果は、何を目安に、いつ確認しますか?
  3. どんな症状が出たら、どこへ連絡すればよいですか?
  4. 薬を使い忘れたときは、どうすればよいですか?
  5. 傷の洗い方と、ガーゼなどの交換方法を教えてください。
  6. 通院や費用、仕事・学校への負担を相談できますか?
診察メモに質問を残す

06 / 治療中の記録

治療をした日と、その後に気づいたことを残します。

  1. 01

    治療・薬を登録する

    名称や使い方を、医師・薬剤師の説明に沿って入力。

  2. 02

    実施した日に記録する

    「使用した」などの実施状況を選び、気になった変化をメモ。

  3. 03

    診察で振り返る

    症状の記録と一緒に経過まとめで確認し、医師に伝える。

記録だけで、薬の効果や副作用の原因を判定するものではありません。

参考情報

このページの情報について

治療全体を理解するための説明です。特定の薬や治療を勧めるものではありません。ご自身に適した治療や薬の変更については、医師・薬剤師へ確認してください。AIで作成した説明用のイメージです。

  1. 米国皮膚科学会:HSの診断と治療(外部サイト)治療の目標、痛み・傷のケア。英語。
  2. 日本皮膚科学会:化膿性汗腺炎診療の手引き2020(外部サイト)外用療法(14ページ)・内服療法(15〜16ページ)。国内の最新の承認薬一覧ではありません。
  3. PMDA:生物学的製剤の患者向医薬品ガイド(ビンゼレックス)(外部サイト)注射薬の作用・感染症などの確認・自己注射に関する説明。薬の推奨を目的とした掲載ではありません。
  4. 欧州S2kガイドライン:HSの治療(原著)(外部サイト)薬物療法と外科的治療の組み合わせ。英語。
  5. 米国皮膚科学会:HSの日常のケア(外部サイト)洗い方・摩擦への配慮・しこりの扱い。英語。
  6. PMDA:処方された薬を使用する際の注意(外部サイト)処方薬の自己判断での使用・共有に関する注意。

内容確認日:2026年9月10日。国内の医療情報を基本に、海外の公的機関・専門学会の患者向け情報も参照しています。